中村ケンゴ


多摩美術大学大学院修了。顔文字、ワンルームマンションの間取り図、マンガの吹き出しやキャラクターのシルエットなど、現代社会を表象するモチーフから、美術史上のさまざまなイメージまでをも用いたユニークな絵画を制作。また、他ジャンルのクリエイターとのコラボレーションのほか、展覧会、シンポジウムなどの企画運営にもあたる。主な展覧会は「日本×画展(にほんガテン!) しょく発する6人」(横浜美術館、2006)、「モダン・ジャパニーズ・ジャパニーズ=スタイル・ペインティング 1994-2014」(掛川市二の丸美術館、2015)など、近年はフランスでも作品を発表し、海外に着実にファンを増やしている。


<出品作の解説>
ひらがなのやわらかで有機的な線の組み合わせによってできる紋様のうな造形と、ペインタリーな背景によって独特なヴィジュアルを生み出す「ひらがな ぺいんてぃんぐ」シリーズを出品します。
ひらがなの部分は書かれた線ではなく、背景が塗り残された地の部分になっており、「書」ではなく、あくまで「ペインティング」作品です。
ひらがなで画面上に書かれる言葉には、絵画とは関係なく意味があります。日本には「言霊」という、発せられる言葉にはある種の霊力があるとする思想があり、またひらがなは文字であるという意味で、言霊とヴィジュアルイメージ、書画と近代絵画の融合と相剋が、このシリーズの重要なテーマとなるでしょう。
本展の展示では、ONE有明アートフェスティバルの企画展ということで、《花鳥画(佐賀)》、《有り明け》と題された作品も出品しています。
和紙に岩絵の具で描く中村ケンゴ。ひらがなのやわらかで有機的な線の組合せによって出来る文様のような造形と、絵画らしい背景によって独特のビジュアルを生み出す「ひらがなペインティング」シリーズを展示。今展のための新作づくしとなった。《花鳥画》では、佐賀県の花と鳥、くすの花とカササギが描かれている。技法は日本画なのだが、その概念を相対化する表現が中村の作品の特徴である。また、漫画の吹き出しをモチーフにした大皿《スピーチバルーン・イン・ザ・ヒノマル》を有田焼のヤマト陶磁器と製作。無数の吹き出しと背景の絵画が響き合う展示となった。

10月下旬ANA ART TRANSITにてジークレー作品が販売開始予定


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