SHOWKO


京都出身。
330 年続く、京都の茶道具をつくる窯元に生まれる。
佐賀武雄での修行の後、2005 年より自身の工房「SpringShow Studio」にて、独特の技法での陶板画制作をはじめる。
その後、デザイナーとして平面の構成・グラフィックデザインに携わり、他業種の経験をもとにプロダクトの可能性を探求。
2009 年 10 月自身のスタジオを法人化、同年ブランド「SIONE(シオネ)」を立ち上げる。全国で多数の企画展を開催し、2011年より海外で本格的に展開。 2016 年に、銀閣寺の旅館をリノベーションし、工房とカフェを併設したショップをスタート。 同年、LEXUS NEW TAKUMI PROJECT の京都代表に選出され、プロジェクトに参加。 その後、河原尚子より名義をSHOWKOに変更し、本格的にアートワークの制作に力を入れ始める。 2011年にミラノサローネで発表した一度つくった器を割り、再び継ぎ直す技法での作品を、2019年ごろから再び作り始める。
割るという行為で時間の概念をゆがめ、パラレルにもしかしたら存在しえた他の風景への思考を促す。
2019 年京都に新しくできたアートホテルの2部屋を制作し、時を楽しむ部屋として陶板画作品と割れた物を金継ぎした作品を展示する。

SHOW-TARO(SHOWKO+山本太郎)展示 
〈コンセプト:Parallel world/ Parallel time〉


コンセプト解説:
漫画やアニメ、ドラマなどのコンテンツの中で「タイムリープ」や「転生」「別の世界線」などという言葉が使われるようになって久しい。パラレルな世界を作り出すことで物語が展開する。しかし、パラレルであることは物語の中だけでなく現実もそう変わらない。
世界は常にパラレルである。
私たちは同じ時間と空間を共有して生きているようでも、実は人によって全く違う世界と時間を生きている。
「葉隠」という書物は時代を超えて、日本という国の中で読み継がれてきている。しかしまるでパラレルワールドで転生を繰り返すキャラクターのようにその評価が時代とともに移り変わっている。
江戸時代の鍋島藩の藩主に仕える者の心構えを示した書物だったものが、近代になりいつの間にか忠君愛国のシンボルとなり、そして戦後は軍国主義的書物として禁書扱いを受けたかと思えば、三島由紀夫などにより再評価され、そして今やビジネス書となった。
「葉隠」は木の葉が吹く風により裏返り、陰に隠れたり表に返ったりするように、虚実が入れ替わるように、違う意味の読み物としてパラレルに存在してきた。
この「葉隠」を冠した展覧会に絵画と器による新しいユニットが出品するーSHOW -TARO。
絵画は「虚(イメージ)」である。実用性のないままイメージだけを提供する。しかし日本では「虚(イメージ)」である絵画に屏風という「ボディ」を与えて実在化させた。屏風にすることで「虚(イメージ)」は自立して存在となる。
器は「実(リアル)」である。実態のある物質を入れる入れ物として存在している。しかし、器は加飾され、あるいは経年を経ることで「物語」を持つようになる。「実(リアル)」であるはずの器の中に実態ではない「虚(イメージ)」が入り込む。
虚実は風に吹く葉のように裏表が入れ替わる。
世界は常にパラレルである。人によって全く違う世界と時間を生きている。
だからこそ、一瞬でも同じものを見て、同じ音を聞いて同じ感覚を共有できたと思えたとき感動が生まれる。それを人は美と呼ぶと思う。
そのような作品がこのユニットから生まれることを願う。


展示:
SHOWKO、山本太郎、それぞれにナラティブ(物語性)を帯びた作品が多数ある。
山本の屏風作品6点を展示し、その作品の物語と響き合うSHOWKOの器の作品(またはインスタレーション作品)を同一空間に展示する。


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